どうしたって期待したい!!
でも、きっと中の百面相などお見通しで、それすら想像して言葉を弾いてるだろう水城くんはやっぱり意地が悪いんだと思う。
「まあ、欲情しちゃった俺はそこで色々と疑問にぶつかり悩んだわけですよ。…………これが…単に欲求不満からのそれなのか。……特別な感情からのそれなのか」
「っ………」
「前者だったら……絶対に手を出すような事をしたくないなって。居心地が良くて、大切で……結局は特別だからただの欲求とかで関係を濁す気もない」
「……後者……なら?」
「………それを考えたら……最初の悩みにぶち当たったんだよ。もし仮にそうであるなら『なんで』そうなのかって理由が必要なんじゃないかって……」
「………」
「だから……最低にも他の女子と対比してみたら分かりやすいんじゃないかって……」
「あっ……」
成程……つまるところの……
「デー…ト?……さっきの……」
「単なる欲求不満なら他の女子にも適応するかもだし、『何で』って理由も他の相手を介して見える様な気がした。…って『思うところありまして』デートに至ったんだけどね」
「な、なるほど……」
「そんな自分の確かめ過程とか見せられないよなって鈴原には言う気はなかったんだけど…………泣かせるとは思わなかった」
「っ………」
あ、声のトーンが下がった。
それこそ懺悔の響きで、申し訳ないと悲痛の色味。