どうしたって期待したい!!



ええ、ええ、言い出しっぺは私だもん。

私は正義の味方、水城くんの味方のウサギ仮面だもん。

「バイトに戻るっ!!」

「クビになってないといいね」

「っ……誰のせいですか!?」

「バイト放り投げて正義に走ったウサギのせいじゃ?」

「っ……ええ、ええだから良いんです!正義を全うしたから良いんですっ!」

もう知らん!!っと、自棄全開にすたすたと歩みを進めれば、それを追うようについてくる足音には当然気が付いている。

それに意地を張りたい気持ちと嬉しい気持ちと…。

ヤバい…後者が強になりつつあって口の端が上がる。

なのにどうしても『怒ってます』と告げる様につかつかと歩いてしまう自分の背後から、

「まあ、そんなに怒らないでよ」

「怒ってまっせーん」

「お礼に……クリスマスプレゼントあげるから」

なぬっ!?と馬鹿正直に一瞬足が止まりかけてしまった。

それでも振り返るより早く、ハッと我に返ると、

「いりません。正義は代償を求めません」

「そ?……多分…ウサギ仮面が欲しいと思ってる物だと思うのに」

「っ………いら……ない」

あああ、なんて意地っ張り!!

もうさ、素直に貰おうよ!?


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