どうしたって期待したい!!




いや、そりゃね水城くんですもの。

逆にLINEしてるって言われたら『誰とっ!?』ってなるわ。

ってか、そう言う事言いながらまた逃避してるわ千紗子っ!!

お前はいつまでそうして現実から逃げているんだ!?

水城くん不足なんて言う死活問題なんだぞ!?と若干頭の悪い叱咤を自分で浴びせて悶絶してしまう。

そりゃあ、電話したい。

声を聞きたいけどさ。

……聞いたら会いたくなっちゃうじゃない?

電話なんて言うのは終わりが見えていて、終了のタップを押すのも寂しければ切られるのも寂しくて。

「でも……連絡しなきゃ会うも何もないじゃん?」

結局その壁にぶち当たるんだよ千紗子!!

どんなに乙女思考で悲観して晩熟女子を気取っても、行動しなきゃ得られない結果にぶち当たる。

しかもこのままいくと確実に正月はお互いに実家でしょ!?

ってかすでに実家かもとか言う不安も否めない!!

ああ、もうままよっ……、

と、勢いで躊躇っていた発信ボタンをタップする。

そりゃあもう内心ばっくんばっくん、何でベッドで正座しているんだろうと、客観的に見ていたら突っ込んでいた筈。

そんな緊張に満ちている私の耳にコール音が1回、2回。


< 54 / 151 >

この作品をシェア

pagetop