どうしたって期待したい!!




本当に実に申し訳ないと、無意味に壁に張り付いて反省のポーズをとって示してしまう。

そんな私を見つめる姿は相も変わらず彼の標準スタイルな無表情だ。

本当に何を考えているか分からないから困るっ!!

『用もないのにかけてくるなよ』とか思われてたらどうしようぅぅ。

「ま、丁度よかったからいいや」

「へっ?」

「シュークリーム好き?なんか一人じゃ食いきれない量貰ったんだよね」

「えっ?いや、好きだけど……えっ?私に?……くれるの?」

「くれるの?ってか……一緒に食うつもりで来たけど」

「っ………な、なんで?」

もしかして私に会う口実とか!?

『私に会いたくて来てくれたの?』

『ば、ばーか、シュークリーム食べきれないからに決まってるだろ』

的な、私はついでみたいなシュークリームを言い訳にキュンキュンドキドキな……

「いや、普通に鈴原不足で会いたいなって思って出向いたけど?」

「ぶはっ……」

「シュークリームはついでだな。なんか貰ったから持っていこう的な」

「っ………衛生兵!衛生兵っ!!」

「衛生兵?……誰か居るの?」

「うううっ、違うの。私の心の中の救助部隊なの……」

怪訝な顔で部屋の奥を探るように身を乗り出す水城くんに、違うのだととりあえずの説明はするけど心中はそれどころではない。

だって思いっきり刺さった。

殺しに来たよこの人!?

普通に『鈴原不足』って、シュークリームをついでに私に会いにきたって、乙女心に致命傷な先攻かましてきたよ!?


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