どうしたって期待したい!!



ストレートに向けたその一言に恋する乙女を殺す効果があるという事をこの人は知っているのだろうか?

しかも、つきあっていない絶妙な関係の時のそういう一言は『期待して』って言ってるようなものなんだよ?水城くん。

そんな思わせぶりは強烈にしてくれるのに肝心な一言は言ってくれなかったんだもんなぁ。

ようやく落ち着いた心臓を確かめる様に胸を一撫でして、改めて彼に視線を向ければ必然の様に目が合った。

ううっ、相変わらず睫毛が長くて超絶美人。

肌も色白でファンデーションでも塗ってるの?と問いかけたくなるじゃない。

「鈴原、」

「うん?」

「すっぴんでも肌綺麗だね」

「っ___!!!!!」

「化粧しなくてもいいんじゃない?」

「っ…ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!水城くん酷いっ!!」

「えっ、俺?」

「見ちゃダメぇぇぇぇ!!」

「いや、もうがっつり見たから鈴原が諦めれば済む話」

「うううっ、こんな時まで冷静な突っ込みぃぃぃ。連絡の一本でもしてくれたらもっと女子力高くて可愛いゆるふわ部屋着で薄化粧をすっぴんと言い張って出迎えたのにぃぃぃ!!」

「いや、そんな作った女子力見るよりすっぴんに半纏姿の鈴原見れる方が俺としては来たかいがある。……いいじゃん、コレ」

「っ………」

こ、こつんって……『いいじゃん、コレ』って額こつんって指で弾かれた……。

っ~~~好きっ!!

死ぬっ!!




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