どうしたって期待したい!!
告白は失敗でも一定であった彼との距離は縮められたような瞬間。
嬉しくない筈ないじゃない。
水城くんとクッキー食べれちゃうんだって。
嬉々としてぴょんっと椅子から立ち上がり鼻歌交じりに自分の鞄を漁ってクッキーの入った袋を取り出していれば、スッと私の背後通り抜ける彼の気配。
んっ?とその姿を視線で追えば小銭入れを手に部屋の入り口へと歩んでいる姿。
あれ?
「えと…どこ行くの?」
「………飲み物必要かと思って。コーヒーでいい?」
「っ~~……わ、私の分も?」
「?いや、だって、鈴原がクッキー提供してくれるんだから飲み物くらい俺が用意するけど?」
イ、イケメン!!
男前!!
何がイケメンって、さらっと……そうさらっと『当たり前でしょ?』と不思議そうな感じにしてるのがイケメン!!
うわぁぁぁ、ダメだ。
好き、超好き。
「ダメ…死んじゃう……」
「えっ?カフェインアレルギーとか?」
「いやいやいやっ、ないっ!!ごめんなさい!!独り言でカフェインなんて日々摂取しまくりだから!!」
「そっか、じゃあコーヒー2つでいいね」
「あ、ありがとうございま……」
はっ!!
ダメだ……。
外には今か今かと彼を狙うライバル達に溢れているじゃないか!!
そんなリアルを思い出し危機感巡ってしまえばだ……。