どうしたって期待したい!!




この際着眼が逸れるなら汚物に溢れた部屋であった方がましだったぁぁぁ!!!

すっぴんよりも汚物よりも見られたらまずいモノ思いっきり真顔で見つめられてるぅぅぅ!!!

えっ?今すぐ走って逃げだしてもいいですか?コレ。

人生最大の危機と直面したような緊張感と羞恥心の金縛り。

何がきついかって……なんか反応してよ水城くん!?

せめて気まずそうに突っ込みを入れてくれれば私だって苦し紛れ炸裂に何とか羞恥と大乱闘するっていうのに!!

そんな私の心情に反して、どこまでも冷静な面持ちで自分の顔写真が貼っ付けられた抱き枕を見つめた彼は、ようやく動きを見せると指先で顔写真の唇を一撫で。

「……鈴原、」

「ひゃぁぁいっ!!」

「………なんか、俺の写真がある」

「あ、ありますねぇっ!」

「……なんか、抱き枕に安ピンで留められてる」

「な、なーんでだろう?ビックリだね!」

「鈴原……」

「はい……」

「………」

「ちょっと待って!!お願いっ!!そこはもう意地悪でも何でもいいからはっきりキッチリ突っ込もうよ!?名前呼びかけておいて含みたっぷりに視線逸らすのやめてっ!!きついっ!!」

まだ、『鈴原、エッチだね』くらい言われた方がやり過ごせるってものでしょうが水城くん!!


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