どうしたって期待したい!!
NE・WA・ZA!!
寝技言いましたよ!写真付き抱き枕で寝技言いましたよ!?
ん~~~っっっっ……
卑猥っ!!
羨ましいっ!!
寧ろ私が水城くんの抱き枕立候補したい!!
ワナワナとしながら真っ赤であろう顔で彼をアホみたいに見つめていれば、自分の顔写真が貼ってある枕を抱きしめた彼が勿体ぶらせるようにゆっくりと視線を絡め、
「……柔道のだよ?」
「し、知ってるよぉう」
あ、声が裏返った。
いや、勿論こんな意地悪切り返しにも対応できるように身構えていましたとも。
……あれ、なんか知らない内に涎が…。
気が付けば口の端から零れかけていた涎を慌てて手の甲で拭きとり、気を取り直して紅茶を入れ始める。
それにしても暑いわ。
本当に半纏脱いじゃおう。と、発熱している今となっては暑苦しい羽織りものを脱いで適当に放置し、ようやく紅茶を用意して彼の待つ空間へと身を置いたのだった。
ああ、それにしてもだ。
水城くんだぁ。水城くんが居る。本物の水城くんが目の前に居る。
紅茶を飲みながらの改めての時間、さっきの心中より落ち着いた感覚で目の前の存在の奇跡に歓喜が満ちる。
再会初っ端から散々な意地悪をされたけども、それすらもこうして会わねば成り立たない時間であったのだ。