どうしたって期待したい!!



「ダメダメダメダメ!!!」

「…………」

「はぁっ…はぁっ……その……クッキーのお共に紅茶持ってたりするのよ。もしよかったら……それも飲んでくれないかなぁって……」

「…………」

「その……研究してるの!!」

「研究?」

「色々な葉っぱブレンドして美味しい紅茶作る研究!!だから…私以外の感想も欲しくって!!」

「………いいよ」

あああ、なんて苦し紛れの申し出なのか。

マズイ!と焦って部屋を駆け抜け、すでに扉を前にしていた彼の前に滑り込んだは良かったけれど。

当然私の行動に疑問たっぷりな眼差しを向けてくる姿には苦し紛れの言い訳が零れた。

いや、持ってるよ紅茶。

それに紅茶のブレンドは趣味で嘘とも言い切れないけどさ。
絶対に不自然だろ今の私。

いやいやいや、逆にここまで不自然ぶっ通してるんだから『あれ?もしかして…』なんて私のこと意識してくれるんじゃ……。

おめでたい思考なのは生まれつきだと思う。

人生は結果オーライだとなるべく悲観は放り投げて都合のいい思考に切り替える癖がある私。

今も何だかんだ自分の『やっちまった』感をプラス思考に切り替えて、恋する乙女全開にドキドキと目の前の彼を上目遣いに確認したのに。

っ………読めない…。

超絶無表情のその心中はどんななんですか?水城くん!

それなのにジッと私を見つめ下ろしている真意はどこでしょうか水城くん!?


< 7 / 151 >

この作品をシェア

pagetop