どうしたって期待したい!!
いやいや、今はシュークリームよりも水城くんの一言でしょ!!て、横にずらしていた期待の塊を胸に戻し、カスタードまみれのまま恋するフィルターで彼を見つめていく。
当然、
「鈴原…クリー…」
「いいの!!全然大丈夫で香りから楽しんでるから私の事は気にしないで!?もう、ずずいっと水城くんの話を進めようよ!?」
ここに来て逃すものかと慌てて話の軌道修正を図り取り繕う。
これが天然にしろ意地悪にしろ、今度ははぐらかされるものか!と照れも逃げも投げ捨てて彼を見つめて待機したのに。
「……勿体無……」
「……へっ?……っ!!!?」
もう本当……
私は水城くん用に何個命を持ち合わせたらいいんだろう?
私の意気込みなんていつも素知らぬ感じにスルリと流し、予想に反した行動で驚かしにくるのが水城くんだ。
今もまさに。
私がいくらシュークリームから話を逸らそうが無意味であったのだ。
いつまでも彼の視線は私の熱烈な視線の隙間を縫っていて。
『勿体無い』と弾きながら伸ばされた手は私のカスタード塗れの手を絡めとって……パクリ。
「っ〜〜〜」
「……俺、生クリームよりカスタード派なの」
ああっ、ダメッ、今そんなプチ情報言われても記憶出来る余裕ないよ水城くんっ!!
だっ、だって……水城くんの唇がっ、舌がぁぁぁ。