どうしたって期待したい!!



恋する少女スタイルで無言にも挑んできゅるんと見つめていたというのに、彼の徹底した無の視線にはさすがに敵わず少々怯む。

あれ?これさ…なんかもしかして怒ってる?

不愉快感買った?嫌われた?

お願いだから水城くん……とりあえずなんか言葉を発し……

「っ___!!!?」

お気楽能天気な私の思考回路もさすがに不安のウィルスが蔓延していた刹那、今まで不動であった彼の姿が急に体を折り曲げ私の姿を陰らしたのには……息が止まった。

思考もフリーズ、瞬きも忘れ、ただただ至近距離に寄った彼の顔に息を飲む。

今にもキスされそうだ。

そう思ってもおかしくない距離間で見つめられ、限界を訴える様に心臓が痛みを強く跳ねあがった瞬間。

「きっつ……」

「………へっ?」

「………小さいなって」

「……えっ?」

「鈴原さん。改めて立ち並んだら小さいなって思って。目線合う高さに合わせるのってどこだろうってかがんでみたけど……きつい」

そんな言葉を淡々と、かがんでいた体をヒョイと起こしながら腰を摩る彼は相も変わらず無表情だ。

確かに……確かに小さいのよ私の身長。

平均より思いっきり小さくて152センチしかないけどもさ。

向かい合う水城くんは何センチだろう?180あるのか無いのか。

とにかく高身長な彼と低身長な私じゃ軽く大人と子供の身長差な気がする。

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