山猫は歌姫をめざす
溜息をつく。薫の言っていた「稼ぐ手段」なのかもしれない。
(あ……)
トレーニングルームの透かし扉の前に立つと、先客がいるのが目に入った。
シェリーだ。腰下まである白金髪をひとつにまとめ、踊っていた。
指の先まで神経がいき届いていて力強くしなやかな動き。が、それ以上に、長い手足と豊かな胸、くびれた腰のラインが、未優の目を奪った。抜群のプロポーション。
(いいなぁ……あの胸の半分が、あたしにあったらなぁ……)
「───未優? どうしたの? 入ってらっしゃいよ」
視線に気づいたらしいシェリーが踊るのをやめ、立ち止まったままの未優に声をかけてきた。
どぎまぎしながら未優は扉を開ける。
「あのぉ……一緒に練習しても、いいですか?」
シェリーはくすっと笑った。
「構わないわ。一緒にやりましょう」
「はい! ありがとうございます!」
朝の食堂でのあいさつと同じく快活で明るい声。シェリーは笑みを深めた。
(素直な子ね……)
シェリーは踊りが苦手だという未優の練習を見てやることにした。
腰の入れ方と手指の使い方を教えてやると、驚くほど見違えた。どうやら筋は良いようだ。
二時間ほど通して踊ったあと、二人して休憩をとった。
(あ……)
トレーニングルームの透かし扉の前に立つと、先客がいるのが目に入った。
シェリーだ。腰下まである白金髪をひとつにまとめ、踊っていた。
指の先まで神経がいき届いていて力強くしなやかな動き。が、それ以上に、長い手足と豊かな胸、くびれた腰のラインが、未優の目を奪った。抜群のプロポーション。
(いいなぁ……あの胸の半分が、あたしにあったらなぁ……)
「───未優? どうしたの? 入ってらっしゃいよ」
視線に気づいたらしいシェリーが踊るのをやめ、立ち止まったままの未優に声をかけてきた。
どぎまぎしながら未優は扉を開ける。
「あのぉ……一緒に練習しても、いいですか?」
シェリーはくすっと笑った。
「構わないわ。一緒にやりましょう」
「はい! ありがとうございます!」
朝の食堂でのあいさつと同じく快活で明るい声。シェリーは笑みを深めた。
(素直な子ね……)
シェリーは踊りが苦手だという未優の練習を見てやることにした。
腰の入れ方と手指の使い方を教えてやると、驚くほど見違えた。どうやら筋は良いようだ。
二時間ほど通して踊ったあと、二人して休憩をとった。