山猫は歌姫をめざす
響子にうながされ、未優はここに来た目的を思いだす。響子はニヤッと笑った。

「そりゃあんたの実力次第さ。
スケジュール表、見たんだろ? 今のままじゃいくら待ったって、あんたは“舞台”に立つことなんて、できゃしないよ。
果報は寝て待ってちゃ、ダメってことさ」
「───あの、具体的にどういうことか、教えてくれますか?」

真剣な面持ちで未優が問う。響子は涼子に説明するよう、無言でうながした。

「“連鎖舞台”って、解るかしら?」
「あ……週末の三日間、そう書いてあるのを見ました。でも、どういう意味かまでは……」
「あなたが“舞台”に立てるとしたら、“連鎖舞台”しかないわ。まずは、そこに立てるだけの実力があると、皆に……他のナイチンゲール達に示すことね」

涼子の言葉に、未優は息をのんだ。
他の“歌姫”に自分の実力を示す。そんなことが可能なのかどうか、今の段階では、まったく見当もつかなかった……。




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