山猫は歌姫をめざす
互いに相手を無視した会話を続ける二人に、未優は小さく息をついた。
……何やら薄ら寒い空気を感じるのは、気のせいだろうか。
「──貴様、いいかげん未優から手を放せ」
「あぁ、やっとでたね、本音。……あのさ、守ることと束縛することって、違うよね?」
「愛情の押し売りは見ていて疲れる。よそでやってくれ」
未優の頭の上で火花が散った。
どこまでも平行線な二人の会話に耐えきれず、未優は叫んだ。
「もうっ! どっちもあたしの前から、消え失せろーっ!!」
……何やら薄ら寒い空気を感じるのは、気のせいだろうか。
「──貴様、いいかげん未優から手を放せ」
「あぁ、やっとでたね、本音。……あのさ、守ることと束縛することって、違うよね?」
「愛情の押し売りは見ていて疲れる。よそでやってくれ」
未優の頭の上で火花が散った。
どこまでも平行線な二人の会話に耐えきれず、未優は叫んだ。
「もうっ! どっちもあたしの前から、消え失せろーっ!!」