山猫は歌姫をめざす
『関係者以外立ち入り禁止』と書かれた扉を抜けると、右側がクリーム色の壁、左側には幾つかの扉が等間隔にあった。
歩きながら清史朗が言った。
「未優さんは、ご自分の衣装をお持ちですか?」
「はい、持ってきました」
「留加様も?」
こくりと、留加がうなずく。
「お二人にはこちらの控え室で着替えていただきますね。手前が留加様、奥を未優さんがお使いになってください。
私はいったんこちらを失礼して支配人に未優さんが来たことを伝えて参りますね。
五分ほどで戻りますので、お二人のお支度が済み次第、舞台袖までご案内致します。
それでは、のちほど」
きっちりとした礼をとると、清史朗は、通路をさらに奥まで進み右に折れた通路へと姿を消した。
なにげなくその姿を見送っていた未優に、留加が声をかける。
「君は女性だし、準備に時間がかかるんじゃないのか? 早く支度にとりかかった方がいい」
「わっ……そうだよね! ありがと、留加。じゃ、また後でね!」
示された扉をあわてて開けながら、未優は留加に片手を上げた。
歩きながら清史朗が言った。
「未優さんは、ご自分の衣装をお持ちですか?」
「はい、持ってきました」
「留加様も?」
こくりと、留加がうなずく。
「お二人にはこちらの控え室で着替えていただきますね。手前が留加様、奥を未優さんがお使いになってください。
私はいったんこちらを失礼して支配人に未優さんが来たことを伝えて参りますね。
五分ほどで戻りますので、お二人のお支度が済み次第、舞台袖までご案内致します。
それでは、のちほど」
きっちりとした礼をとると、清史朗は、通路をさらに奥まで進み右に折れた通路へと姿を消した。
なにげなくその姿を見送っていた未優に、留加が声をかける。
「君は女性だし、準備に時間がかかるんじゃないのか? 早く支度にとりかかった方がいい」
「わっ……そうだよね! ありがと、留加。じゃ、また後でね!」
示された扉をあわてて開けながら、未優は留加に片手を上げた。