山猫は歌姫をめざす
慧一は歯がみする。

同じ名字──“血統”だからといって、“純血種”と“混血種”だ。関わりがあるとは考えにくかったが──。

「遅いよ、気づくの。僕が、大事な未優の晴れ舞台、見逃すと思う?」

背後から慧一をのぞきこみ、薫はいたずらっぽく笑ってみせた。






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