あいらぶ、フォームレス
「おいで、茶坊、お姉ちゃんが、汚れてまうわ。」
茶坊を抱き寄せて、立ち上がったん。185ぐらいかなあ。晋治より、高い。
「私、琴美、貴方は。」
「エエッ、名前、秀太郎。」

「私、バイトの時に、ここ通るんやけど。」

「はあー。」

「また、茶坊に会えるかなあ。」

「ああ、会えるよ。茶坊、あんたの事気にいってるみたいやから。」

「今度会ったら、シャンプしてなあ。」

「やっぱり、汚れてるかあ。」

秀太郎、名前ばかり立派な赤ちゃんみたい。
公園に入る手前のレンガの植え込みの端っこに座って、破れたGパンから膝をだして、よれよれのTシャツ。


「秀太郎さん、洗濯してるん?」

「ああ、週一回、貯めてから。」

「お風呂入ってる?。」
「ああ、一週間に一、二度。」

「秀太郎さんも、シャンプーやなあ。」

うちが、そう言うと、秀太郎さんは、Tシャツをクンクン嗅いでたん。
その仕草が、茶坊に似てる気がして、笑えたわ。
うち、新しい玩具、ペット、なんか、与えられてむちゃくちゃ、喜んでる子供みたいに、笑顔になったわ。
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