あいらぶ、フォームレス
ペットショップの扉の奥に、茶坊が見えた。

「はい、凄く汚れてましたよ。臭腺、爪切りしておきました。」

抱かれて出て来た茶坊は、ファファ、ミックス犬ってわかってたけど、
ポメラニアンみたいな。ファファ感、
「すいません、このリードと首輪下さい。」

茶坊に、首輪とリードを付けて、トコトコと駅前から、散歩するみたいに、公園に向かったん。

公園の入り口辺りで、
肩を落として、しゃがみこんでる秀太郎を見つけたん。
茶坊が、吠えながら、慌てて、走りよってた。

「茶坊〜。捜しててんで、何処に行ってたんや。首輪なんかして、」

「ごめんね、言うて行けば良かったんやけど。慌ててたから。」

「わぁ!なんや、茶坊いい匂いやなあ。ファファやん。」

ギュッと、茶坊を抱き締めて、首輪を外そうとしてたん。

「それ、茶坊のんに、買ってん。リードもお揃いやで。」

「是も買うたん?僕、お金ないねんけど、どないしょー。」
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