DREAM キャッチャー
第1章~はじまり
私の周りにはイルミネーションで灯されたお店や木々が並んでいて
カップルが楽しそうに腕を組みながら歩いている。
その中に1人浮かない顔でイルミネーションに灯された道を歩く。
1時間前、高校3年生の時から付き合っていた彼氏にフられた。
大学2年生の私はやっと生活に慣れたところだったのに...
いきなり、
「優美とはもう付き合えない。別れよう。」
って・・・
クリスマスに別れるやつがいるかってゆーの!
涙も出てこないやぁ。
だって、私ってなにごとにたいしても中途半端だから・・・
「やっぱ、離れたからだめだったにかなぁ。
同じ大学にすれば良かった。」
ある公園のベンチに座って、1人でつぶやく。
ふと、頬に涙が流れた。
イルミネーションが灯された場所より少しはずれている
この公園で、改めて1人になったんだと感じた私は
心にたまっていた汚れを落とすように泣いた。
「お嬢さん」
誰かに呼ばれたのを感じ、泣き腫らした目でその人を見る。