神獣の花嫁~かの者に捧ぐ~
さもさも“主”たちのために期限を長く設定してやったように言うが、それならば最初から期限など設けないほうが、よほど親切ではないか。
(旦那、早く戻って来てくれよ……!)
犬朗たちに、直接的に白い“花嫁”に会う権利はない。
というより、最初に、白い“神獣”同様『名乗っても呼びかけてもならない』という“禁忌”を、ヘビ神から言い渡されているのだ。
禁を破れば、白い“神獣”とヘビ神が為した誓約は反古にされてしまう。
(せめて、俺らも咲耶サマに直接会って話すことができれば……!)
心の内で呼びかけることはできても、当人を前に、その名前は口に出してはならない。
奇しくもそれは、“花嫁”が“神力”を得るための試練と同じであることに、彼らは気づいていなかった。
(旦那、早く戻って来てくれよ……!)
犬朗たちに、直接的に白い“花嫁”に会う権利はない。
というより、最初に、白い“神獣”同様『名乗っても呼びかけてもならない』という“禁忌”を、ヘビ神から言い渡されているのだ。
禁を破れば、白い“神獣”とヘビ神が為した誓約は反古にされてしまう。
(せめて、俺らも咲耶サマに直接会って話すことができれば……!)
心の内で呼びかけることはできても、当人を前に、その名前は口に出してはならない。
奇しくもそれは、“花嫁”が“神力”を得るための試練と同じであることに、彼らは気づいていなかった。