彼氏の上手なつくりか譚





「それ、『ぼくなん』?」


振り返ると、長い髪を後ろで束ねている真奈が立っていた。


「相変わらず恋愛小説で現実逃避行かあ……」


「それ言わないで。今、ちょうどそのことでブルーになってたとこだから」


種類の違う2つのため息が、いい感じにハモった。




< 11 / 525 >

この作品をシェア

pagetop