彼氏の上手なつくりか譚
8>>応援に行くべし。
昼休み。
いつもの中庭でのランチで、真奈は当然、頭を抱えた。
「なんでそんなこと聞いちゃうかな、言っちゃうかな……」
「だって、力になりたかったんだもん!」
「あ、うん。気持ちはわかるわよ? でも、人って触れられたくないことだってあるでしょ?」
「そりゃそうだけど、悩みを人に打ち明ければ、少しは楽になるかもしれないじゃん!」
「理沙!」真奈は語気を強めた。
「理沙の言ったことって、正論のようだけど、正論じゃないんだよ。ただ、現実を突きつけてるだけ」
「だから、突きつけて、その解決方法を……」
「手術して、リハビリして、それで1ヶ月半後に甲子園のマウンドに立てると思う? 仮に立てたとしても、思い通りのプレーができると思う? そもそも、中越くんがそこまで考えなかったと思う? お医者さんと話して、それで無理だって言われたんじゃないの? つまり、あんたのしたことは……!」
「……ごめん」