彼氏の上手なつくりか譚





まあでも、大方こうなることは予想済みだ。


だから、真っ先に上川くんを誘った。


サッカー部は、私が見に行った次の試合、その次の試合で負けて、グループリーグ敗退。


3年生は実質引退。


夏休みの終わりに選手権とかいう大会があって、それまでは残ることもできたらしい。


でも、上川くんは意外と現実思考で、


「こんな初戦で負けるくらいだから、全国大会なんか絶対無理。それよりも、大学に行くために勉強する方がずっと将来のためになる」


と言って、あっさり引退してしまったのだ。


『受験勉強とか大丈夫なの?』


と返信。して気づいたけど、私もこんなことしてて、受験、大丈夫だろうか……。


『どうせ2、3日くらいなもんだろ? 2、3日勉強しなかったくらいで受かんない大学なら、例え合格できても勉強についていけないに決まってる』


間違いないと思った。いや、思いたかっただけかもしれない。


でも、上川くんの辞書に「考える」という言葉があることは、わかった。




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