彼氏の上手なつくりか譚
そんな違和感を持ちながらも、私はまた一つ、物語を紡いでいく。そんな違和感の中で、現実と向き合う。
『久しぶり。急なんだけど、真奈に中越くんのLINE、教えていい?』
既読はすぐに付いた。
『オレ、川上さんのLINEもう知ってるよ(笑)』
中越くんからの返信、この(笑)い声が本当に久しぶりで、懐かしく、嬉しくなった。
『なんか、機種変したら消えちゃったんだって(笑)』
またすぐに既読が付いて、
『なんかオレに話すことでもあるの?(笑)』
『実は真奈や上川くん、下村くんとキャンプに行こうって計画立てて、中越くんも誘うために連絡取りたいみたい(笑)』
『そのキャンプって山田さんも行くの?』
『うん、行くよ!』
『なら、別に川上さんに教えなくても、山田さんから直接誘ってくれたらいいのに(笑)』