彼氏の上手なつくりか譚
「……山田さん」
「は、はい! 山田ですが!」
「……日本語になってない」
「……ですよね」
「でも、心は伝わった。正しい日本語使ってても、心がない奴より、ずっとよかった」
よかった。なんとか伝わったらしい。
「それに、オレ、気にしてないから。新しい夢もできたし」
「そうなんですか?」
「うん。オレ、教師になろうと思う。高校教師になって、野球部の監督になって、それで甲子園に行こうかなって」
「すごい! それだと何回も甲子園行けますね!」
「だろ?」