彼氏の上手なつくりか譚
13>>みんなでキャンプに行くべし。
晴れているはずなのに、なんとなく辺りが薄暗い。
天高く伸びた木々が両手を伸ばして、太陽を遮っているせいだ。
おかげで、涼しい。
木製のアーチ型した橋の下を、そのまま飲めそうなほど透き通った川の水が流れている。
緩やかな流れの中に、魚は見当たらない。もう少し上流に行けば、いるのかもしれない。
そんな大自然の中に大きくそびえ立つ本館と、その周りにロッジが立ち並んでいる。
ロッジには、都会の住宅街のような均一性はなく、自然の地形に合わせて建てる場所を選んだのだろうということがわかる。
木の扉についた木の取手を引くと、靴箱が置かれた玄関。
その奥に10畳はあるフローリングのワンルームにテーブルが一つ。エアコンも設置してある。
更にその奥には、8畳ほど広さに、1畳の二段ベッドが2つ、左右に分かれて置いてある。
ワンルームの左手には、ベランダ。公園に置いてありそうなテーブル付きのベンチが備え付けられていて、傍にはバーベキューコンロが置かれている。