彼氏の上手なつくりか譚
ご飯炊きの私たちがまずしたことは、川原の石をコの字に積むこと。
なるべく、平べったい石を崩れないように、形に合わせて敷き詰めていく。
この作業は楽しい。まるで、ジグソーパズルをしているような気分になる。
「どうしてコの字なんだ?」と中越くんが石を積みながら聞いた。
「真ん中だけ開けて、周りを囲む方がよく熱が伝わりそうじゃないか?」
「詳しいことはよく知らないんですけど、多分、酸素を適度に取り込めるようにってことじゃないですかね? でないと、火が消えてしまいますから」
「酸素がないと火は消えるのか?」
「小学校の理科の実験でやりませんでした? 集気びんの中に火のついたろうそくを入れて、蓋をすると火が消えるってあれです」
「あー、なんかやったような気がする」