彼氏の上手なつくりか譚
コの字のかまどが完成し、飯盒容器に米を入れた。
水は川の水でもいいかなと一瞬思ったけど、上川くんがバタフライをしていた光景が目に焼き付いていて、持参したミネラルウォーターにした。
鉄の棒で飯盒容器を吊るし、それをかまどの上に置く。
あとは火。
「山田さん、これ」
中越くんが木の枝を拾ってきてくれて、それを容器の下に置き、着火剤も置く。
棒状に丸めた新聞紙にライターで火をつけ、それを木の枝と着火剤の上に置く。
火は、着火剤と木の枝に燃え移る。
「あとは、待つだけですね」
「そうだな」
……魚が釣れるのを。