彼氏の上手なつくりか譚





コの字のかまどが完成し、飯盒容器に米を入れた。


水は川の水でもいいかなと一瞬思ったけど、上川くんがバタフライをしていた光景が目に焼き付いていて、持参したミネラルウォーターにした。


鉄の棒で飯盒容器を吊るし、それをかまどの上に置く。


あとは火。


「山田さん、これ」


中越くんが木の枝を拾ってきてくれて、それを容器の下に置き、着火剤も置く。


棒状に丸めた新聞紙にライターで火をつけ、それを木の枝と着火剤の上に置く。


火は、着火剤と木の枝に燃え移る。


「あとは、待つだけですね」


「そうだな」


……魚が釣れるのを。




< 216 / 525 >

この作品をシェア

pagetop