彼氏の上手なつくりか譚





「真奈って岡本さんのこと、嫌いなの?」


「うーん。まあ、ぶっちゃけ嫌いかな」


「どんなところが?」


「なんか、女子力ありますアピールがうざいなって」


なんとなくわかる気がする。


「そんなことより!」と真奈が私の顔を指さした。


「これが何のためのキャンプなのか、わかってるの?」


「え? 私のためだって言うの?」


「当り前じゃない!」


「私、このキャンプを通して、三人と同時に交流を深めて、好きな人を作れたらいいなくらいにしか思ってなかった」


「じゃあ何? あんた、まだ好きな人いないの?」


真奈が驚いたように言い、私は正直に白状した。


「気になってるって段階でもないかも……」


真奈が頭を抱えた。




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