彼氏の上手なつくりか譚





温泉の味がしないまま上がって、ロッジに戻ると、男子三人がバーベキューコンロを囲んでいた。


「火ついた?」


と真奈が髪を肩にかけたバスタオルで拭きながら聞いた。


「ああ、いつでも焼ける」


頭にタオルを巻いた中越くんが答えた。


坊主頭にタオルはよく似合う。


「みんなお風呂入ってきたら? 私たち、火見てるから」


と真奈が言うと、上川くんが、


「いや、腹減ってるから、先に飯がいい」


と言って、中越くんも「まあ、風呂は24時間だしな」と言って、下村くんも「僕、汗かいてないから」と言った。




< 229 / 525 >

この作品をシェア

pagetop