彼氏の上手なつくりか譚





スーパーで買った安いお肉がこれだけ美味しくなるなんて。


バーベキューコンロで焼いているからなのか、自然の中で食べているからなのか。


「うめえな!」


上川くんが100g270円の豚肉を食べながら言った。


「あ、中越くんも食べてくださいね?」


そう肉を焼いてくれている中越くんの方を振り返ると、口に牛肉を咥えていて、親指を立てた。


ちゃっかりしてる。


「とりあえず、乾杯しない?」


とすっかり回復した下村くんが言って、みんなの紙コップにお茶やジュースが注がれた。


「じゃあ、乾杯!」


真奈の音頭で、紙コップがテーブルの上に集まる。


その中の一つに私の紙コップもある。




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