彼氏の上手なつくりか譚





「へえー。そっかそっか、へえー」


と言った声が震えた。


聞きたいのに、聞けない。


「それって誰?」と。


別に、「それって私?」なんて聞くわけじゃない。あくまで、他人事のように聞けばいいことなのに、私のことが好きなのかもしれないと疑っているから、震えるんだ。


「誰よ? え? 誰々?」


こういう時、ガツガツしている子を友達に持って、本当に良かったと思う。


「言わない」


「えー? 言ってよ! 同級生? 年下? 年上?」


そう真奈が聞いて、あ、そうか。と思った。


何も同級生と決まったわけじゃないんだ。


「まあ、それなら……」


と中越くんが口を開く。


緊張の瞬間。固唾を飲む。喉の渇きを感じて、ウーロン茶を飲んだ。


「同級生だ」


「おおー!」


おおー! 一次審査通過!




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