彼氏の上手なつくりか譚
「ねえ、クラスは? 何組?」
「もういいだろ」
さすがにそこまでは言ってくれないらしく、代わりに、
「お前らはいるのか?」
ブーメランを投げつけてきた。
「私? いない。で、何組なの? 文系? 理系?」
真奈はサラッとブーメランを避けて、またガツガツと詰め寄った。
普段なら、「もうやめたら?」とやんわり止めるかもしれない。でも、やめて欲しくない。
知りたいのだ。
中越くんの好きな人を。
「まだだ」と中越くんがトングを向けた。
「まだ山田さんの答えを聞いてない」
私に、向けた。