彼氏の上手なつくりか譚





「え? 私、ですか? 私は……」


いる……のだろうか?


迷う。中越くんが好きな人いるって話を聞く前だったら、迷わずいないと答えていたと思う。


でも、迷うってことは、もしかして好きな人がいるのかもしれない。その相手が中越くんなのかもしれない。


私は中越くんのことが好きなのかもしれない。


こういう時は……あ、そうだ。上川くんだ。


「気になる人なら……」


言って、周りが沸いて、その反応で急に恥ずかしくなった。


顔が火照っている。夏の暑さとは違う、でも、夏の暑さにも負けないくらい、暑い。




< 240 / 525 >

この作品をシェア

pagetop