彼氏の上手なつくりか譚
「え? 私、ですか? 私は……」
いる……のだろうか?
迷う。中越くんが好きな人いるって話を聞く前だったら、迷わずいないと答えていたと思う。
でも、迷うってことは、もしかして好きな人がいるのかもしれない。その相手が中越くんなのかもしれない。
私は中越くんのことが好きなのかもしれない。
こういう時は……あ、そうだ。上川くんだ。
「気になる人なら……」
言って、周りが沸いて、その反応で急に恥ずかしくなった。
顔が火照っている。夏の暑さとは違う、でも、夏の暑さにも負けないくらい、暑い。