彼氏の上手なつくりか譚
「や、山田さん!」
「ひゃっ!」
急に声がして、飛び上がって、振り返ると、そこには下村くんがポツンと立っていた。
「ご、ごめん! びっくりさせちゃった?」
「あ、いや、こっちこそ、ごめん」
普通、近づいてきたら気配とか感じるものなに、この人の影の薄さってホント、才能だ。
下村くんは将来、探偵とかやれば向いてそう。
「手伝おうかなって思って」
下村くんは確かテーブルの片づけだったから、もう終わったんだろうと思う。
「ありがとう。じゃあ、網。お願いしてもいい?」