彼氏の上手なつくりか譚
二人で金タワシでガシガシやる。
リズムよく私がガシッとするとすぐ後に下村くんのガシッが鳴る。
いい感じにハモってる。ここで、テンポ上げたらどうなるだろう。
「読んだ?」と下村くんがまた急に口を開いた。
「『女生徒』」
「あー、読んだよ!」
「どうだった?」
「うん。すごかった。あの人があんな文章書けるんだって驚きと、女生徒の一日の出来事を書いただけなのに、そこにイマドキの女子中高生にも通ずることがあって、よく分析されてるなって」
特に私は、最後の方の一文。あれが好きだった。