彼氏の上手なつくりか譚





「でも、その人にはどうやら好きな人がいるらしいんだ。ほら、僕って顔も中身も全然でしょ?」


「そ、そんなことないよ」


「いいんだ。でも、そういう奴が勝つには、早くスタート切るしかないって思ったんだ」


「そんなことないってば! 私は下村くんのいいところ、いっぱい知ってるよ? 確かに、顔は……あれかもしれないけど、カッコイイとは違うけど、優しそうで、実際優しいし、かと思えば、ちゃんと自分の我を通せる趣味も持ってて、猫が好きで、動物好きな人って、人にも優しくできるじゃん? 全然じゃないじゃん。私、思うんだけどね、人って一つでもいいところがあれば、いいところなんだから、その一つでだって、誰かに愛されたり、幸せにできるって思うんだ。だから、下村くんにもできるよ。誰かを幸せにすること」




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