彼氏の上手なつくりか譚
男子がお風呂に行っている間、ロッジで真奈と二人っきりになって、私はさっきあったことを真奈に正直に話した。
「え? 下村くんが? ちょ、マジ?」
「マジ……です……はい」
「そっかあ。てっきり下村くんには好きな人いないと思ってたけど、そっかあ、外したかあ」
真奈はそのことが本当に悔しかったらしく、指をパチンと鳴らした。リアクションが古い。
「で、どうなの?」
「それがよくわかんない」
「よくわかんないってことは、理沙の好きな人は下村くんではないのね」
「まあ、うん……でも、嫌いじゃないのも確か」
「そりゃ嫌いだったら、一緒にキャンプなんか行かないわよね。上川くんや中越くんのことだって嫌いじゃない。そうでしょ?」
そっか。つまり、私にとって、下村くんは普通の人なんだ。