彼氏の上手なつくりか譚





「二人なら、ダメかな?」


上川くんが「え?」と私の方を向いて、聞き返してきた。


「勇気出すの。一人より二人の方が心強いと思うんだけど……」


「それって、つまり、悩みを共有しようってことか?」


「そうかもしれない」


でも、その悩みを上川くんに打ち明けられない。


だって、上川くん、口軽そうだし。


「うーん、まあ、それはいいアイデアかもな」と上川くんが座ったまま、足をブンッと振った。


「実はオレ、理沙ちゃんに聞きたいことあったし」


「私に、聞きたいこと?」


上川くんは「ああ」と言って、それからまた多分、顔を赤らめた。




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