彼氏の上手なつくりか譚





答えの出ない言い争いを続けていると、中越くんがむくっと起きてきた。


足元がまだフラフラしてる。目もしっかりと開いていない。


「朝からうるせえな!」


中越くんのその一言で、場が凍り付いた。


「ったく、しょうもないことで、朝から……」


そう言って、テーブルに残っていたBLTサンドを手に取った。


中越くん、寝起き悪いんだな……。


おまけに口も悪いし、なんか怖い。


普段なら気づけないでいることを、こうして一緒に一晩過ごすことで、気づいてしまうこともあるんだなと思った。


そして、この言い争いは、中越くんの登場で、私と上川くんの勝ちだということが明白となった。




< 294 / 525 >

この作品をシェア

pagetop