彼氏の上手なつくりか譚
答えの出ない言い争いを続けていると、中越くんがむくっと起きてきた。
足元がまだフラフラしてる。目もしっかりと開いていない。
「朝からうるせえな!」
中越くんのその一言で、場が凍り付いた。
「ったく、しょうもないことで、朝から……」
そう言って、テーブルに残っていたBLTサンドを手に取った。
中越くん、寝起き悪いんだな……。
おまけに口も悪いし、なんか怖い。
普段なら気づけないでいることを、こうして一緒に一晩過ごすことで、気づいてしまうこともあるんだなと思った。
そして、この言い争いは、中越くんの登場で、私と上川くんの勝ちだということが明白となった。