彼氏の上手なつくりか譚
「ちょっと早いけど、ご飯の準備、始めよっか」
真奈に言われ、私たちは川から上がった。
チラッと上川くんの方を見ると、上川くんは前髪を掻き上げて、ニヤケ顔を浮かべている。
え? どうした? あ、違う。ホストを意識してるんだ。
ホストってあんなことしてたっけ? そもそもホストってなんだっけ? と思わずホストについて考えてしまう。
きっと上川くん自身もよくわかっていないんだろうと思う。
「いやあ、チョー気持ちいい。何も言えねーぜ」
なんてことを真奈に行ってる。顔は相変わらずニヤケ顔。
「頭でも打った?」
真奈の顔はまるで、道端に落ちている犬の糞を見るような表情で、上川くんから距離をとっている。