彼氏の上手なつくりか譚
……え?
頭が真っ白になった。目の上の方が気持ち、白っぽくなった気がする。
肩から腕にかけて、何か重いものがスーッと下がって、指先に溜まっている。
「僕、昨日日中寝てたから、夜あんまり寝れなくて。ちょっと散歩でもしようかなって思ったら、山田さんが起きたのに気づいて、これは返事を聞くチャンスだと思ったんだけど、その時、上川くんも起きて……」
嘘。ちょっと待って! まさか、下村くん……。
「トイレかなって思ったんだけど、いつまで経っても帰ってこなくて、それからしばらくして、ベランダから山田さんと上川くんの声がして、悪いと思ったんだけど、その……見ちゃったんだ」