彼氏の上手なつくりか譚





ああ、そうなんだ。


真奈は幸せ者だと思った。嫉妬してしまうほど。


真奈にはこんなに愛してくれる人がいる。


でも、私にはいない。一度の誤解でいとも簡単になかったことにされてしまった。


でもそれは、下村くんなりの本気だったからなのかもしれない。


とはいえ、本気で好きだったからこそ、ショックだった下村くん。


対して、本気で好きだからこそ、振られても好きでい続ける上川くん。


次の恋は上川くんのような男子としたい。


数学のプリントを写しながら、心からそう思った。




< 321 / 525 >

この作品をシェア

pagetop