彼氏の上手なつくりか譚





私は上川くんと並んで、二人の背中をただ茫然と見送った。


「どうするの、これから……」


「そうだな……」


私たちに今できることは、二人が戻ってくるまで待つことだけだ。


「やっぱりオレには無理だって、神様の告げかなあ」


上川くんがため息交じりに弱音を吐いた。


こんなにイケメンなのに、こんなに悩むのは、相手も超絶美人だからというのも理由の一つなんだろうけど、それとは別に、本気で好きだからなんだろうと思う。


本気で好きだから、頑張る。頑張ることは苦しいことだってある。


頑張れば、頑張るほど不安にだってなる。


正解がないことを頑張ることは、今頑張ってることにだって正解がないってことで、そうなると悩んで当然だ。




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