彼氏の上手なつくりか譚





夏休み明けの学校で、憂鬱を生む最大要因は、何といってもテストだろう。


テストは嫌い。できないから嫌い。でも、仮に勉強ばっちりしてきたとしてもどうせ嫌いだろうから、結果どうであれ、嫌い。


でも、今年は受験生だ。テストが嫌いだからと言っても、結局は受けなきゃいけない。


ああ、そうだ、進路……どうしよう……。


「はい、はじめ!」


まだやりたいことが決まっていない。


目標がないのに、努力なんてできるわけがない。


人は目標があって、初めて頑張れるんだ。


上川くんは、それで真奈と付き合うことができた。


私は「彼氏が作りたい」という漠然とした目標で、好きな人を絞れず、目移りしていくうちに、結局作れなかった。


だから、もう諦めようと思う。無理して彼氏なんか作ったって、そこに愛がないんじゃ意味がない。


今できることを、とりあえずは勉強を頑張ろう。




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