彼氏の上手なつくりか譚
午前中で学校が終わって、真奈にファミレスでお昼ご飯を食べようと誘われた。
正直、乗り気じゃなかったけど、テストは明日もあるし、その勉強ができるならと思い、渋々行くことにした。
学校のすぐ目の前にあるファミレスは同じ制服を着た人たちでごった返していた。
テスト期間中にはよくある光景ではあるけど、こんな騒がしい中で果たして集中して勉強できるのか……不安だ。
「それで? 犯人はやっぱり上川くんだったの?」
「あいつ、ホントバカよ? 私がミシン持って行ったら……」本当に借りたんだ、ミシン。
「『おおー! マイハニー!』とか言って、みんなの前で抱き着いてきたのよ? 結局、ミシン頭の上に振り下ろして帰ってきたけど」
「でも、上川くんらしいね。好きなんでしょ? そういうところも」
「別に」
とは言ってるけど、内心は照れているようで、メロンソーダに差したストローが蛇腹の方が下になっている。