彼氏の上手なつくりか譚
「お、出てる出てる」
私の背後で声がして、振り向くと、目の細い、日焼けで少し茶色っぽくなった髪、スラッとした井出立ち、しかし、その表情はニヤッとヘラッとしていて、ああ、この人、性格絶対悪いわって一目でわかる、そんな男子がこっちを見ていた。
「ねえ、キミ、何位?」
「え?」
その男子がいきなり私に話しかけてきた。同じ学年なんだろうけど、この人、見たことない。
「順位だよ。何位?」
「え? えっと……ちょっと恥ずかしいんですけど……」
「恥ずかしいんじゃなくて、順位。オレ、数字にしか興味ないから」
うわあ……なんだ、こいつ。よくわかんないけど、イラッとする。
なんか、殴る蹴るの暴行したい。
「88位……です」
「マジ? チョーバカじゃん!」
え、ええ……?