彼氏の上手なつくりか譚
初対面の人に向かって、チョーバカって……ホント、こいつ何なんだ!
「そ、そういうあなたは何位なんですか!」
「別に何位でもいいじゃん。キミには関係ない」
私は言ったんですけどぉぉぉぉ!
「なんか、あなた、ムカつきますね!」
「お褒めの言葉、どうも!」
「褒めてません!」
「あ、そう。まあいいや。キミバカだし、よかったらオレが勉強教えてやろうか?」
「結構です!」
「あ、そう。塾なんかに金ぼったくられるよりはいいと思うけどね。まあ、気が向いたらD組に顔出してよ。天野って言えばわかるから。んじゃ!」
そう言って、左手をポケット、右手をひらひらさせながら、行ってしまった。
何が勉強教えてやろうか? だ!
よーし、そこまで言うなら、あんたの順位も見てやろうじゃないの!
えーっと、D組天野、天野、天……。
「え? マジ?」
思わずそう声に出してしまうほど、驚愕した。