彼氏の上手なつくりか譚
「あれ、理沙。カイエンのこと、知らないの?」
「カイエン? 車の?」
「そうじゃなくて、天野快延のこと。常に学年1位の成績で、この学校で知らない人はいないくらい有名よ」
へえー、あの人の下の名前、カイエンって読むんだ。
なんかすごい、速そうな名前。
「知らなかった。それにしても、絵にかいたような天才って本当にいるんだね」
「だから、知らない人はいないくらいの有名人なのよ。ルックスもそこそこいいから、一部の女子にはモテてるみたい。でも、あの性格はちょっとね……」
真奈が引くなんて、よっぽどだ。
ということは、あのカイエンって人、よっぽど変人なんだ。