彼氏の上手なつくりか譚





そして、放課後。


真奈が屋上にカイエンくんを呼び出してくれ、私は少し、緊張しながら屋上へと続く階段を上った。


「かなり苦労したんだからね? カイエンはなかなか首を縦に振らないし、それを見てた周りには、上川のこともあるのに、川上さんどういうつもりだ? みたいな顔されるし、上川からも『オレという彼氏がいながら、どういうつもりだ!』って問い詰められるし」


「ごめんごめん。で、上川くんから問い詰められて、なんて返事したの?」


「え? そ、そんなことどうでもいいでしょ!」


「よくなーい。ほら、照れないで、言ってよ!」


「あー、もうっ! こう言ったのよ!『バカね! あんたみたいな素敵な彼氏がいるのに、浮気するような女なんかいないわよ!』」


「ヒューヒュー!」


「茶化すな!」




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